2017年1月22日

龍次郎さんのこと その20ー龍次郎さん、ますます発明する

矢中の杜(旧矢中家住宅)の特徴の一つは、矢中防火板。
これは、日本の風土にあった木造建築の持つ弱点の一つ、火を食い止めるための龍次郎さんの発明です。薄いコンクリートのタイル板を外壁の下地に貼り付け、その上をモルタルなどで仕上げるもので、特に隣地との境界線近くの外壁に使われています。普段は壁の中ですから見えないのですが、そっと守りを固めているわけです。

龍次郎さんが活躍していた頃、木造建築の外壁を薄い、土・モルタル・タイル・金属板などでくるんで火がつきにくくする準防火構造の対策が取られはじめます。これが大正9年に制定施行され、初の建築法規と言われている「市街地建築法」。当時ほとんどを占め ……

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2017年1月19日

矢中の杜活動史 第20回—管理人の日々②

こんにちは。早川(公)です。
寺尾くんが書いた前回記事の「東西お雑煮対決」、懐かしいですね。

冬の透明な寒さと、タイル貼りの台所の洗い場。
居間からふすまを開けると、L字型の廊下の向こうにぼんやり見える調理の風景。
矢中の杜は、何気ない生活がまるで映画の1シーンみたいに見えることがありました。

そんな美しい邸宅に管理人として住んでいた私。
当時は大学院生をこじらせて20代も後半で、日常と非日常が絶妙のブレンドで構成された管理人の日々は、思い出そうとすると邸宅のガラス越しに見るみたいにゆらいでいます。

そんな感傷的な書き出しで始めてみましたが、今回の記事でも管理人時代を ……

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2017年1月15日

「矢中の杜へようこそ」 ドラマのロケに使われた

このシリーズも今日から再開です。今年もよろしくお願いします。
さて今回は、いつもとはちょっと毛色の違った話です。
ご紹介していたように昨年の12月26日に、”矢中の杜”でロケの行われたドラマが放映されました。満島ひかりさん主演の「シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅱ 妖しい愛の物語」の第一話「何者」です。ご覧になった方は、あのシーンはここで撮影されたのだなどと、振り返ってみるのも楽しいかと思います。
まずは結城少将の誕生祝いのシーンは、板戸絵を見ればすぐにわかると思いますが別館一階の食堂です。基本的にはソファーを変えたくらいで、レイアウトは変わっていません。

そして事件が起きた書斎は、まさに ……

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2017年1月12日

矢中の杜活動史 第19回—東西お雑煮対決 矢中の杜の陣

こんにちは。寺尾です。
昨年から始めたブログの連載記事ですが、新年は本日からスタートです。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

この「矢中の杜活動史」はNPOを立ち上げたところで年末を迎えたので、今年はいよいよNPO設立後の話を…と行きたいところですが、せっかく年明けなので閑話休題、年明けにまつわる活動のエピソードをご紹介したいと思います。名付けて東西お雑煮対決!

手許の記録によると、2011年の年明け最初の活動日のこと。お掃除のお昼に、メンバーどうしで地元のお雑煮を作ろう!という話になって開催しました。

話の背景は、筑波大学の特色の話から始めなければなりません。立 ……

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2017年1月6日

1月14日(土)から公開です

年始は1月14日(土)から公開です。

玄関前の白木蓮、春に一番に咲く花ですが、蕾がぷっくりと大きくなってきました。
今年も皆様のお越しをお待ちしています。

 

2017年1月1日

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます

旧年中は、矢中の杜をご支援いただき
誠にありがとうございます。
本年もよろしくお引き立ていただきますよう、おねがい申し上げます。

皆様に幸多い年になりますよう
お祈りいたします。

2017年 酉年 元旦

2016年12月25日

龍次郎さんのこと その19ー龍次郎さん、立ち向かう

今年もいよいよあとわずか。年の瀬も押し迫ってまいりました。
12月26日(月)午後11時15分から、NHKBSプレミアムで、矢中の杜でロケが行われたドラマが放映されます。江戸川乱歩短編集Ⅱの第1回「何者」の舞台になりました。矢中の杜で事件が起こるようです!

さて、龍次郎さんのこと。満州から日本に戻り、東京で会社を起こして2年目、大正12年、関東大震災が東京を襲います。震災後の帝都復興には、セメント防水剤マノールが数多くの建築物で使われたようです。前回ご紹介した昭和30年作成の「経歴書」によると、国会議事堂、宮内庁、歌舞伎座、三越呉服店、同潤会啓成社、同潤会アパート、野田醤油株式会社など ……

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2016年12月22日

矢中の杜活動史 第18回—管理人の日々

こんにちは。早川(公)です。
第17回の寺尾くんの設立総会に関する記事について、あんな写真が残っていたことに驚きです。
そういえば寺尾くんは、活動時に沢山写真を撮っていたのが印象的です。
寺尾くんと、現理事長のカメラの写真を総ざらいして過去を振り返ってみたら、きっと面白いだろうな、なんてことを思いました。

第16回のぼくの記事で、今回からは活動について書いていくよ、と予告しました。
何から書こうかな、と思ったのですが、ちょうど第17回で「早川が管理人として住み込むことが決まった」という記事があったので、そのことについて書き出していこうかなと思います。

この住み込み管理人の話 ……

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2016年12月18日

「矢中の杜へようこそ」謎の切り欠き

屋外は基本的にガイドの対象外となっているので、お気づきになった方は少ないと思うが、本館西側の屋根に不思議な切り欠きがある。
場所は書斎の明かり取りの窓の上であるので、初めは光を取り入れるための工夫かと思ったが、位置が微妙にずれている。
そういえば以前、そこに生えていた樹を避けて建てられたと聞いた気がする。
地面を探すと、確かに古い木の根がまだ残っていた。
ならばと古い写真を調べてみたら、確かに建物のすぐ脇に大きな樹が写っている。
この樹を残すために、わざわざあんな複雑な構造を選んだということか。
普通ならば伐り倒さないまでも、建物にかかる部分を切り落とすと思うのだが。
書斎の明か ……

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2016年12月16日

矢中の杜活動史 第17回—NPO設立総会

こんにちは。
矢中の杜活動史、第15回目です。
今日は早川さんのNPOの名付けの話題に関連して、NPO設立総会のことを書きたいと思います。掃除の話題からちょっと飛ぶようですが、ちょうど地下室掃除のちょっと後なので、時系列では順番通りなのです。

設立総会といきなり書きましたが、掃除をしながら、この邸宅を掃除しながら、この邸宅をどのようにして保存活用していくか、どのような形態で運営していくかということは議論していたのですが、NPOを設立する方向で話を進め、掃除も一段落したところで準備に動いていました。

NPO設立総会の開催は2009年12月26日のこと。参画した創立会員が集まり、一 ……

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