2017年2月12日

「矢中の杜へようこそ」 邸宅のお宝(かも?)1

これほど豪華な邸宅を建てた龍次郎氏であるから、どこかに金銀財宝が残しているのではないかとは誰もが思う夢であろう。だが残念ながらそんなものは、今の所見当たりはしない。もちろん屋敷や調度自体が、十分お宝なのではあるが。しかし悲しいかな凡人たる我々は、即物的な財宝を夢見てしまうのである。
だが実は価値のあるものがそこに残っていても、それに気付かないだけなのかもしれない。価値を知る人が見れば驚愕のものが、もしかしたらゴロゴロ転がっているかも。これってもしかしてというものを、ご紹介してみたいと思う。知識のある方がご覧になったなら、何かコメントを頂けたら嬉しい限りである。

まずは掛け軸に仕立てられ ……

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2017年1月29日

「矢中の杜へようこそ」 邸宅の換気の工夫

40年も空き家だった邸宅がこれほど良い状態で残ったのは、一つには矢中龍次郎氏がこだわった換気の工夫があるようだ。
例えば表玄関のホールに隣接する物置の床には床下部屋への通気口 が作られている。

 

そして多くのガラス戸の腰板部分が無双窓となっていて、空気の通りを調整出来るようになっている。
夏には冷たい空気を、ここから取り入れているのであろう。
ところでこの無双窓は作られて75年も経とうというのに、まだちゃんと稼動するのも驚きである。

そして熱い空気は天井に作られた換気口から、天井裏に排出される。
照明が取り付けられている天井が一段高くなっていて、周囲の格子の部分 ……

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2017年1月15日

「矢中の杜へようこそ」 ドラマのロケに使われた

このシリーズも今日から再開です。今年もよろしくお願いします。
さて今回は、いつもとはちょっと毛色の違った話です。
ご紹介していたように昨年の12月26日に、”矢中の杜”でロケの行われたドラマが放映されました。満島ひかりさん主演の「シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅱ 妖しい愛の物語」の第一話「何者」です。ご覧になった方は、あのシーンはここで撮影されたのだなどと、振り返ってみるのも楽しいかと思います。
まずは結城少将の誕生祝いのシーンは、板戸絵を見ればすぐにわかると思いますが別館一階の食堂です。基本的にはソファーを変えたくらいで、レイアウトは変わっていません。

そして事件が起きた書斎は、まさに ……

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2016年12月18日

「矢中の杜へようこそ」謎の切り欠き

屋外は基本的にガイドの対象外となっているので、お気づきになった方は少ないと思うが、本館西側の屋根に不思議な切り欠きがある。
場所は書斎の明かり取りの窓の上であるので、初めは光を取り入れるための工夫かと思ったが、位置が微妙にずれている。
そういえば以前、そこに生えていた樹を避けて建てられたと聞いた気がする。
地面を探すと、確かに古い木の根がまだ残っていた。
ならばと古い写真を調べてみたら、確かに建物のすぐ脇に大きな樹が写っている。
この樹を残すために、わざわざあんな複雑な構造を選んだということか。
普通ならば伐り倒さないまでも、建物にかかる部分を切り落とすと思うのだが。
書斎の明か ……

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2016年12月4日

「矢中の杜へようこそ」 玄関ホールのピアノ

”矢中の杜”の見学ツアーは、通常本館の表玄関ホールでの説明から始まる。
矢中龍次郎氏の事や屋敷の由来・そして邸宅の豪華さや工夫を解説しまずは座敷を案内するのだが、目ざとい方はホールの隅のこのピアノに興味を持たれる。
たった51鍵しかないこのピアノは、オルガンや子供用に思われてしまうのだが。

これは河合楽器が戦後最初に製作を再開した、モデルNo.101というピアノである。
昭和20年に空襲で工場が全焼した河合楽器の当時の社長はピアノ製造技術が途絶えるのを憂いて、昭和23年にはあえてピアノの製造を再開したのだそうである。
とはいえ当時は生活物資すら不足する時代であったので、このような ……

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2016年11月21日

「矢中の杜へようこそ」 昭和の生活用品

”矢中の杜”には、昭和の懐かしい生活用品が数多く残っている。
若い人には珍しく、ご年配の方には懐かしくご覧になっているようである。
ちょっと台所を覗いてみても、こんな最初期型の「電気炊飯器」が残っている。
まだご飯を炊くだけの機能しかなく、保温すらしてくれないが、画期的な製品だった。

またパン食が一般化すると、トースターも広まっていった。
もちろんパン焼き専門で、焼きあがるとポップアップする。
今ではオーブントースターに、駆逐されてしまった感もあるが。

お湯を備蓄するのには、この魔法瓶が使われていた。
中が真空になったガラス瓶が使われており、倒したり落としたりすると割れ ……

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2016年11月7日

矢中の杜へようこそ こんなこだわりが

旧矢中邸は傾斜地の中腹に建てられているため、玄関までには石段を登る構造になっている。
石段は幅の広い大谷石が使われていて、なかなか豪華である。
そして表玄関への石段は、途中で少し曲がるようになっているのがお分かりだろう。
側桁は大谷石の上に御影石が載せられているのだが、その折れ曲がった部分の石が「く」の字に曲がっているのにお気付きであろうか。
普通に考えれば二つの石を斜めに交差させるのであろうが、あえて一つの石で作られている。
切れ目のない折れ曲りは目立たないのであるが、その存在がこの石段を柔らかく見せている気がする。
当然反対側もそうであるが、こちらは下の大谷石の継ぎ目が見えるの ……

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2016年10月23日

「矢中の杜へようこそ」 食堂の鳥たち

多くの方々が楽しみにされている「龍次郎さんのこと」の回であるが、投稿者のマシントラブルのため今回は急遽お休みとなる。
繰り上げてこの連載となるが、どうぞご理解願いたい。

今は「野沢如洋展」を行っているが,やはり屋敷を飾るのは南部春邦の画であろう。
特に別館の食堂の板戸絵は、ほとんどの方が驚かれる華やかさの「草木図」であるが、華やかな草木に混じり小鳥が五羽描かれているのである。
玄関ホールの丹頂図をはじめ、書斎の板襖には秋の七草の中に鶉が描かれている。
群鳥図の額装も残っているし、南部春邦は鳥のモチーフが好きであったのだろうか。

soraneko

2016年10月17日

「矢中の杜へようこそ」それでは足元を見てみようか

屋敷には今では信じられないような、豪華な素材がふんだんに使われている。
まず表玄関を入ると、玄関ホールの床は見事な欅の一枚板が敷かれている。
漆仕上げだというそれは、七十余年を経ているというのにまだ輝きを残す。
細かいところを見ればさすがにズレとかも見えるが、未だに見事と言っていいのでは。
続く長い廊下もそれと比べれば地味に見えるが、欅の一枚板の漆仕上げである。
さすがにこちらは日常に使われていたので、漆はだいぶ薄くなってはいるが・・・。
敷地の地形などにもよるのだろうが、南北に延びた廊下の西側に水回りが並んでいる。
この長い廊下と木枠のガラス窓は、なんとも昭和の雰囲気を色濃く残 ……

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2016年10月3日

「矢中の杜へようこそ」照明器具の多様さ

矢中の杜(旧矢中邸)には、当時のものと思われる照明器具が多く残っている。
それらの多くはオーダーメイドの特注品なのではないかと思われる。
繊細な磨りガラスと、竹や木・洋銀や真鍮を組み合わせた工芸品の様なものである。
案内しないとあまり気づかれないのだが、なかなか素敵な意匠である。
だがいかんせん薄いガラスを使った繊細なものは、すでに限界かも知れない。
ひとつまたひとつと、次々に保存に回さざるをえないのは仕方がないことだろう。

次回の公開日は、10月8日です。
筑波山麓秋祭りに伴うイベントも、いよいよ始まります。
こちらをご覧ください。

soraneko