2016.10.06

矢中の杜活動史—第10回 邸宅お掃除 屋外編・草取りの巻

こんにちは。矢中の杜活動史、第10回目です。
前回は早川さんからVisionとMissionのワークショップのことでした。活動を始めて1年ほど経った時のことだったと思いますが、改めてみんなで話してみると、「動的保存」や「古いものと新しいものの共存」につながるイメージを、参加者それぞれが持っていたことを覚えています。ワークショップではそれを共通の言葉にし、共有することができた場でもありました。

そんな千里の道も一歩から。僕の担当回ではその一歩一歩を取り上げてきましたが、今回からは屋外編です。まずは、永遠のテーマである草取りについてお話ししましょう。


春から秋にかけて旧矢中邸の庭は雑草の跋扈に悩まされ、草取りが追いついていないのが現状ですが、活動開始当初はこんなもんじゃありませんでした。
矢中龍次郎氏がご存命の頃は、毎日庭師さんが2人ずつ入って手入れをしていたという立派な庭園ですが、40年間手入れがされなかった結果、当然ながら草木が繁茂してものすごい状態に。掃除前の築山はこんな感じでした。
img_7010r
img_6981r
img_6980r

この築山は、日本全国から名石を取り寄せて築き上げ、石の間には五葉の松が隙間無く植えられていました。松は以前松喰虫の被害に遭って全滅してしまったとのこと。石は残っていましたが、雑草が背丈ほどもびっしり生えているだけでなく、築山の上のほうには笹がびっしりと密生し、石の隙間からも雑草や低木が生え、また蔓生の植物(カラスウリのようなもの)が山肌を覆い、石も樹木もみな隠されてしまっていました。また棕櫚(しゅろ)の木もあちこちに生え、日本庭園らしくない様相も。
この写真は築山の奥から邸宅に向かって写したもの。このHPのトップページの古写真と較べてみてください。こんな状態ですから、初めはまさに「ジャングル」でした。
img_6993r
img_7000r
img_6400r

そんなわけで、少しでも見栄えを良くするため、屋内の掃除と並行して屋外の草刈りも進めました(草刈りというよりも、ジャングルの開拓でしょうか(笑))。雑草を刈るだけでなく、いらない低木を伐採したり、笹を刈ったり、蔓を取り除いたりという作業もあります。雑草は根っこから引っこ抜いていけば良いのですが、石の隙間から木が生えてしまった箇所は、根っこまで抜いてしまうと隙間ができて不安定になるので、根は残しておきます。ジャングルはどうやって手をつけただんだっけかな。まず鎌で上物を切って、人が入れる程度の空間を作り、後で足元まで抜いたような気がします。
img_7789r
img003r

築山は蔓がびしーっと覆っていて、そこに雑草もびっしり絡まり、全体がつながっていたので、なかなか少しずつ刈るということができません。僕などは「ローリング」と称して、上から蔓も草も根こそぎ絡めとりながら縦一列に刈り下りることをしていました。地上まで下りて来ると一抱えもあるような蔓草の山になります。これ、なかなか達成感あるんですよ(笑) 大変なので他の人には広まりませんでしたが…
刈った草の山も膨大な量になりますが、地元の方に借りたトラックで市のクリーンセンター(ごみ焼却場)に運んで処分しました。普通ごみとして捨てられる木や枝は1mまでとかいろいろ決まりがあったので、その長さに収まるように切り揃えたりして運んだものです。多い日には日に3往復もしたので、あの頃は立派な(?)常連さんでした。近くにあって助かったなあ。

imgp2392r
imgp2453r
草だけでなく余分な木や枝も伐り、こんな感じでクリーンセンターに運んでいました。

そんなわけで、屋外編、次回以降も続きます。
次回の邸宅公開は10/8(土)。秋のイベントも始まります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です