2016.10.17

「矢中の杜へようこそ」それでは足元を見てみようか

img_3502屋敷には今では信じられないような、豪華な素材がふんだんに使われている。
まず表玄関を入ると、玄関ホールの床は見事な欅の一枚板が敷かれている。
漆仕上げだというそれは、七十余年を経ているというのにまだ輝きを残す。
細かいところを見ればさすがにズレとかも見えるが、未だに見事と言っていいのでは。
img_3512続く長い廊下もそれと比べれば地味に見えるが、欅の一枚板の漆仕上げである。
さすがにこちらは日常に使われていたので、漆はだいぶ薄くなってはいるが・・・。
敷地の地形などにもよるのだろうが、南北に延びた廊下の西側に水回りが並んでいる。
この長い廊下と木枠のガラス窓は、なんとも昭和の雰囲気を色濃く残していまいか。
img_3706圧巻なのは玄関ホールと廊下に直交する、広縁の床ではないだろうかと思う。
二部屋にわたる長く広い縁側の床板が、たった四枚の欅の一枚板でできているのだ。
3/4世紀を経ても反りも割れもしないこの広大な板は、見事ととしか言いようが無い。
おそらく龍次郎翁の自慢の種の一つであろうが、驚くにはまだ早いというのが凄い。
img_3293床は木材だけではなく、表玄関や別館の玄関の床のタイルも素晴らしいものである。
布目タイルという大正から昭和初期に流行ったものらしいが、見事であろうと思う。
三寸四方ほどのタイルが、床に見事に敷き詰められているのは圧巻であろう。
目地がほとんど見えないその施工は、当時の技が見られるところかもしれない。

来週から始まる「野沢如洋展」、そして文化の日の紋切りワークショップ。
秋の邸宅で過ごす時間は、また格別ではないであろうか。

soraneko

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