矢中の杜活動史 第24回—「保存」と「活用」

こんにちは。
元管理人の早川(公)です。
てらおくんもかいている昔の矢中の杜の話はいかがでしょうか。

そんな状況だったなんて信じられない?
たしかに、ぼくがガイドをしていた2年前のときですら、この庭園はジャングルだったんですよ、とか、別館は埃が層になって積もってたんですよ、とか言うと「信じられない」という声をよく聞いたものでした。

文化財、というのは美しいままであるわけではありません。
(もちろん、ポテンシャルはあります。)
そうではなく、人の手間ひまが入って初めて、文化財は営みの結晶として形を成すのだと、矢中の杜での活動は教えてくれました。

そんな考えが根底にあるので、矢中の杜では「保存」と「活用」を一体的にとらえて活動をしてきました。
昔の建物を昔のままに固定してとどめておくのではなく、あくまで現代における意味づけのなかで、矢中の杜と施主である矢中龍次郎さんの想いを解釈してきました。

矢中の杜でガイドを受けたことのある人はわかると思いますが、ガイドメンバーによって、この建物の何が良いか、大切かという価値観はつながりながら異なっています。

あるガイドは矢中の杜を季節を感じることのできる場所といい、ある人はパッシブハウス*の先駆けだという。
またあるガイドは、日本の伝統的暮らしと近代的暮らしの折衷を面白いと感じる。

そこにみているのは、当時の最先端の暮らしであり、翻って現代において暮らしのあり方の見つめ直しにつながるような、そんな考え方です。

だから、NPOでは「保存」と「活用」を別のものとはみなしません。
言い換えれば、いわゆる当時の状態をそのままに遺す「保存」も「活用」の一つの形なんです。

建物にこめられた想いを丁寧に辿ることも、今までにない取組をしてみることも、どちらも矢中の杜にとっては大切な活動です。
それが「生きてまま文化を保存する」ってことなのかな、と今でもぼくは思っています。

寺尾くんの記事に触発されて、活動史というよりは思想史のような記事になってしまいました。
わかりにくかったらごめんなさい。
次回こそは、「今までになかった取組」を思い出しながら書いてみますね。


今度の公開日は2月18日(土)です。
皆様のお越しをお待ちしております。
*パッシブハウスとは、ドイツのパッシブハウス研究所によって確立された省エネ住宅のこと。

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