2011.05.11

少しずつ、でも着実に

お久しぶりです。
気がつけば、震災から2ヶ月が経ちました。
余震が収まったわけではありませんが、少なくとも自身の身の回りでは落ち着きを取り戻しつつあるのを実感しています。
さて、以前”矢中の杜”の被災状況について当ブログで報告しました。
それ以降、少しずつではありますが、できるところから復旧作業(もしくは応急処置)に取り組んできました。
まだ一般公開には至らないため、なかなか皆さんに現状を見ていただくことができませんが、代わりにブログにて現状を報告します。
≪大谷石擁壁≫
被災箇所として一番印象的とも言える、崩落した大谷石の擁壁。
まず、ぐちゃぐちゃに落ちていた大谷石を一箇所にまとめて整理しました。
(大谷石って実はとても重いんです…なので、大谷石を人力で運ぶとなるとなかなかに大変!)
そして、擁壁の部分にはブルーシートをかぶせています。
【整理後の大谷石】

【現在の擁壁部分】

≪本館外壁・屋根≫
本館の被災箇所の中でも、大きな問題だったのが、玄関南側の屋根+外壁でした。
雨樋の下にあった瓦や外壁が落ちてしまったために、激しい雨漏りに悩まされてしまいました。
なので、まずその箇所に直接雨が当たらないようにブルーシートで覆いました。
また、問題のある雨樋に雨水が流れないよう、屋根にも応急処置を施しました。
【玄関南側外観】

【屋根】

≪本館地階の外壁≫
上の大谷石擁壁に近いところにある本館地階東面の外壁です。
今回の地震では目立った被害はなかったのが幸いです。
ただ、大谷石が積まれてできているため、上記の大谷石擁壁のように余震の揺れの向きによっては被害が出るかもしれないとのことから、予防措置として補強対策を行ないました。
【外壁補強】

≪別館1階北側≫
一般公開の際には案内しないため、あまり知られていない部分かと思いますが、別館1階の北側の一部はピロティのようになっています。
こちらも他の部分に比べて構造的に弱く不安があるため、補強対策を行ないました。
【別館1階北側】

≪本館床下≫
本館の一部では、経年変化に加えて今回の地震で床下の束と束石の間に隙間ができてしまった所があり、そのために邸内を歩くと床が少し上下するなぁと感じる部屋がありました。
その部分をこれ以上悪化させないために、応急処置として隙間に接木をしました。
このおかげで、以前より歩くときの不安定さが解消されました。
【床下の写真が取れなかったので、外から見える部分の様子を】


≪邸宅内≫
邸宅内についても、一通り掃除を行い、原状復帰に努めました。
(といっても、余震が来るたび汚れるので、困ってしまいますが…苦笑)
また、これを機に、多少散らかってもいいから、今までなかなかできなかった保管物の整理も進めようということになりました。
どんなものが残っていて、それをどのように保存すべきか、または活用できるか、ということを把握するのは重要なことですから。
【整理されたものたち】

その他の細かな部分は省略させていただきましたが、以上が、”矢中の杜”が歩んできた震災復興への道のりです。
作業にあたるメンバーもプロではないので、完璧な対策ができているとはいえないかもしれませんが、それでも”できるところから少しずつ、でも着実に”との思いで取り組んでいます。
一般公開の再開に向けて、今後も一歩一歩前に進めていけたらと思います。

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