こんにちは。矢中の杜活動史、第12回目です。
早川さんの名付けの話は、物事が動き出すときのワクワク感が伝わってきますね。中には産みの苦しみもありましたが、それもいい思い出です。
さて、前回に引き続き屋外編。2回目は草取りにまつわるエピソードを徒然にご紹介したいと思います。名付け編のあとでこんなユルい話をするのは若干やりづらいのですが…(笑)
■まずは、旧矢中邸での掃除・作業の衣装について
決まりがあるわけではありませんが、「つなぎ」が旧矢中邸掃除のユニフォームです。これは屋内外を問わず、男女問わず。お店によっては女性用のつなぎも売ってるんですよ。屋外では泥だらけ、屋内でも埃だらけになるので、動きやすく、汚れるのが気にならないつなぎが最適なのです。
写真は早川さん(左)と僕(右)とで大谷石を運んでいるところ。早川さんは上着を着てますが中はつなぎです。
■ヤナカイモ
築山の岩肌をびしっと覆った蔓を引っこ抜いていると、これらは土中の茎もかなり長いのですが、時々その先から芋のようなものが出てきます。見た目は小〜中サイズのジャガイモ。その見た目からみんなで「ヤナカイモ」と呼んでいました。
食べられるのかな?お味は?という興味もあり、ある時誰かが切ってみたら、中はキュウリの臭いでみんながっかりでした(笑)。瓜の仲間だったのでしょう。
僕はこの蔓、カラスウリではと思ったのですが、カラスウリは違うものだという話で、真相は不明です。。
残念ながら写真は見当たらずご紹介できません…。かわりに、Web上で見つけた他の方の記事を貼っておきます。僕の記憶ではこの記事にあるとおりの感じでした。やっぱりカラスウリなんじゃないかと思う…。
■2年目・3年目の草
庭は春から秋にかけての庭は、雑草との闘いです。冬の間は沈静化しますが、春の息吹が聞こえると同時に待っていたかのように雑草たちが一斉に芽を出します。そうしてまたその年の闘いが始まるのですが、そこで驚いたことは、2年目・3年目と進むにつれ、生えてくる草の種類が違うのです。掃除を始めた2年目の春の草は、前年に見たことのない花を咲かせていました。3年目も同様。環境が変わると違う植生になる、というとごく自然なことのように思えますが、実体験すると新鮮な驚きがあったものでした。
■棕櫚(シュロ)抜き
僕が一時期ハマっていたのがこれ。棕櫚とはヤシの仲間で、観賞用に植えられますが、庭や森林、墓地などに発生して群生することもあります。自生して数を増やすこともあります。この棕櫚、樹木というのかわかりませんが、昔から棕櫚縄という縄があるくらい、丈夫な毛で幹が覆われ、幹の正体がわかりません。おかげで、普通の樹木と同じように伐採しようとすると、幹のまわりをびしっと覆う毛が鋸の刃のギザギザに絡み付いて、鋸が動かなくなってしまうのです。棕櫚が群生した風景は亜熱帯のようで、日本庭園と似つかわしくなく、なんとか除去できないものかと思案していました。
前回の写真の再掲ですが、画面にヤシのような木がいくつか見えるのが棕櫚です。
小さいのを1本抜いてみて発見したのですが、棕櫚の根は樹木と異なり、球根から生えたてのような細くて柔らかい根が球根の底に一面びしっと生えているのです。球根の底は地面からそれほど深くない。そこで、伐るのではなく抜くことを考えました。根っこを全て抜くか切るかすれば、支えるものがなくなって自然と倒れるという、すごく強引な発想です(笑)。
使用道具は鎌、鋸、あと場合によってスコップ。根元を掘って球根の底を探り出し、根っこの束をざくざく切ったり抜いたりしていきます。根を抜いた勢いで土がはねて目に入る等の棕櫚の逆襲を受けながら(笑)根を少しずつ取り除いて行きます。残り少なくなってきたところで、幹を揺すったり大きなものには飛び蹴りするなどして(強引)ぐらつかせ、支える根がなくなると、ついに難攻不落に思われた棕櫚は陥落します。
抜いた棕櫚と記念撮影(笑) 現理事長に撮っていただきました。
身長より高いほどの大きなものを抜くと、すごく達成感があるのですよ。持ち上げてもなかなかの重量です。マニアックなためか、なかなか皆さんには広まりませんでしたけどね…。
脈絡の無い話でしたがお読みくださりありがとうございました。次回は土木部についてお話ししたいと思います。
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次回の邸宅公開は10/22(土)です。筑波山麓秋祭りも始まります。心地よい秋の日を、ぜひ矢中の杜でお過ごしください。