龍次郎さんのこと その34 龍次郎さんと春邦さん
龍次郎さんのこと その33 ー龍次郎さんと家事
龍次郎さんのこと その32ー龍次郎さんと衛生

龍次郎さんの書かれた文章や、記事を見ていくと、「公衆衛生」という言葉や考えが度々出てくることがわかります。公衆衛生とは、人が健全に生活できるための社会活動のこと。龍次郎さんが生きた時代、公衆衛生への対策は近代化の大きな柱の一つでもあり、病気から個人や社会集団を予防するためのシステムとなったのです。「衛生」という言葉は、一種の流行でもあったのだそう。
明治以来、国内でコレラが流行するなど、海外からやってきた新たな病原菌への対策が必要となり、何よりも文化的に西洋に追いつくよう、西洋風の公衆衛生の考え方が取り入れられたのだそう。新しい概念である「衛生」を広く人々に宣伝するための啓蒙機関として明[……]