2022.05.05

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 15 宝探しの醍醐味

こんにちは。井上です。

ゴールデンウイークです。久しぶりに行動制限のない連休に、浮足立ちますね。

そんな中、守り人たちは密かに宝探しを楽しんでいました。

 

宝探し、とは。

 

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これまでにも幾度となく触れてはきましたが、邸宅には当時の家具や調度品、生活用具がそっくりそのまま、びっしりと残っている状態で空き家となっていました。

そのため、活動当初、邸宅内を掃除する際には、これらのものをすべてチェックしていくこととなりました。

 

押し入れの戸を開けると、モノがわらわら。

書棚を[……]

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2022.04.14

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 14 最高水準の文化遺産保護とは

こんにちは。井上です。

4月ですね。新生活の始まり、という方も多いかと思います。

そんな気持ち新たにするこの季節、今回の投稿では私の初心について触れてみようと思います。

 

随分と前に自分で書いた文章を読み返してみました。

そこでは、こんなことを綴っていました。

 

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NPOを立ち上げる際、私は一発起人として「矢中の杜を舞台に、最高水準の文化遺産保護の取組みを実現する」ことを目標としたいと言いました。
これが、私の「初心」です。
では、「最高水準の保護」とはなにか?
それに対する明確な答えが自分の中でまだ出てないので、[……]

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2022.03.03

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 13 NPO法人、誕生

こんにちは。井上です。

今回の投稿で、ついに、NPO法人“矢中の杜”の守り人が誕生します。

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前回の記事で、矢中の杜のVision、Mission、Valueがまとまりました。

しかし、これはスタート地点であって、NPO法人の設立に向けて決めねばならないことは山積みですし、NPO法人認証申請のための多数の行政書類も揃えていく必要があります。

そのため、中心となる学生メンバーは少なくとも週1回は集まって、話し合いを重ねていました。

写真は、当時の黒板。

NPO認証申請書類にも含まれる事業計画書を作成することを目標に、柱と[……]

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2022.02.03

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 12 矢中の杜のVision、Mission、Value

本連載、2022年初更新となります。井上です。

本年もボチボチとマニアックな内容で連載を続けていきますので、どうぞお付き合いいただければ嬉しいです。

今回は、前回の記事の続編となります。

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めでたくデザイナーのHさんを迎え、NPO創設メンバーの顔ぶれが決まりました。2009年9月13日、顔合わせのため、ついに創設メンバーが一堂に会すことになります。

その中で、早速Hさんにファシリテーターを務めていただき、メンバーが各々思い描いていた矢中の杜像を一つにまとめてNPOの方針を定めるためのワークショップを行いました。

まずは、一人[……]

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2021.12.02

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 11 “呼ばれた”人 Hさん

こんにちは。井上です。

今回の記事タイトル、“呼ばれた”人。

は?っと思われるかもしれませんね~。

矢中の杜の活動を始めて、これまで続けてきた中で、まさにこの人は、邸宅に、あるいは施主である矢中龍次郎さんに、このタイミングで“呼ばれた”んだろうなと思わずにいられない方々がいます。

私自身も、邸宅との出逢いは本当に不思議な縁によるものだったので、自分は邸宅に呼ばれたんだな、と当時しみじみ思っていました。

別にスピリチュアルな話ではないのですが、それまで接点や繋がりはなかったのに、なぜか今その時に必要だ!というタイミングで、人と繋がることがあるのです。[……]

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2021.10.07

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 10 – 任意団体時代の最初で最後のイベント –

こんにちは。井上です。

前回まで、邸宅が登録文化財に登録されるまでの過程をじっくり振り返りました。

多少は文化財に興味を持っていただけたでしょうか?

さて、今回からは、それと同時並行で進めていた、組織作りの方へ、話題を変えたいと思います。

いよいよNPO法人設立の話に入っていこうと思っていたのですが、その前に、任意団体時代に実施した最初で最後のイベントについて、書くことにします。

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“4人会”から始まった矢中の杜。

2009年の年明けから少しずつ邸宅の掃除を進め、4月から調査も開始して、活動にもエンジンがかかり始めまし[……]

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2021.09.02

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 9 -邸宅が文化財になるまでの道のり 申請開始から登録決定の1年編-

こんにちは。井上です。

のんびり連載も9回目になりました。

今回は、前回の予告通り、文化財の申請手続きについてもう少し掘り下げたいと思います。

・「文化財」って?

知っているようで知らない文化財。

日本の文化財保護制度は、1950年に制定された「文化財保護法」という法律に基づいています。その中では、文化財は「有形文化財」,「無形文化財」,「民俗文化財」,「記念物」,「文化的景観」及び「伝統的建造物群」と定義され、分類されています。

単体としての邸宅を文化財にしたいと考える場合は、上の分類の中では、建造物が対象となる「有形文化財」になります。[……]

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2021.08.05

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 8 -邸宅が文化財になるまでの道のり つくば市文化財室へ相談編-

こんにちは。井上です。

月1回更新しているこの連載。活動の記録を残すということを目的に投稿していますが、書き手としては正直なところ「読む人いるかな?」「需要あるのかな?」なんて思ったりもするのです。

そんな折、学生時代の友人が「古民家再生プロジェクトの参考にしたいから」との理由で矢中の杜のブログを読んでくれていることを知りました。

独り言をつぶやくような気持ちで書いていたところに、そんな反応が来たものですから、思いのほか嬉しく感じました。

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さて、前回から、邸宅が「国登録有形文化財」になるまでの道のりについて書いています。

今回は、[……]

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2021.07.08

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 7 -邸宅が文化財になるまでの道のり 調査編-

こんにちは。井上です。

いよいよ本格的に掃除や調査を始めることになった2009年。

この年は、邸宅のハード面、つまり調査と整備(掃除・修繕)と管理運営体制(NPO法人化、外部団体との連携、活用案)について、同時並行で検討を重ねていました。

ゼロからの立ち上げですので、とにかくいろんな案が出てはまた変わる、ということを繰り返していて、この時期の記憶を整理するのに少し苦労しています。

今回は、その中でもハード面の動き、とくに邸宅の調査から文化財登録申請、そして邸宅が「国登録有形文化財」になるまでの過程を書いていきます。

早川さんが以前に書いたブログ投稿

矢中の[……]

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2021.06.03

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 6 -バランスを考えながら、声をかけ、協力者を集める-

こんにちは、井上です。

前回は、オーナーに対して自分の姿勢を伝える努力をしたことについて書きました。

今回は、邸宅を動かし始めるにあたってどのような人にどのようなことを考えながら協力を求めていったかを振り返りたいと思います。

第一に、数十年もの間空き家となっていた邸宅ですから、掃除をしないことには何も始まりません。それには絶対的なマンパワーが必要です。

また、邸宅を文化財として残していくためには、建築学的な調査と、文化的価値の評価を行うことも必要です。これには専門家の力が必要です。

そして、邸宅の保存活用をすることは、邸宅単体だけでなく地域にとっても意義があり、賛[……]

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