“矢中の杜”をはじめた守り人の話 15 宝探しの醍醐味

こんにちは。井上です。

ゴールデンウイークです。久しぶりに行動制限のない連休に、浮足立ちますね。

そんな中、守り人たちは密かに宝探しを楽しんでいました。

 

宝探し、とは。

 

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これまでにも幾度となく触れてはきましたが、邸宅には当時の家具や調度品、生活用具がそっくりそのまま、びっしりと残っている状態で空き家となっていました。

そのため、活動当初、邸宅内を掃除する際には、これらのものをすべてチェックしていくこととなりました。

 

押し入れの戸を開けると、モノがわらわら。

書棚を開くと、本や雑誌がずらり。

箪笥を開ければ衣類がびっしり。

 

それらを一つ一つ開封する度、次は何が出てくるのか、これは一体何なのか、ワクワクが止まらないので、その作業は宝探しそのものでした。

とくに私たち学生にとっては、レトロ感あふれる品々がとにかく魅力的で、新鮮で、手にとってはそれに見入ってしまい、なかなか作業が進まないほど。

このワクワクを堪能できるのは、初めて手を付けた私たちの特権ともいえるものでした。

 

初期のころ(2009年~2010年頃)は、とりあえず何が残っているかをざっと把握すること、残すものと処分するものをわけること、邸宅に関する資料が残っているかどうかを明らかにすることが優先でした。

 

 

それが一段落したころに、今度は改めて、残っているものを収蔵品としてきちんと記録する作業に取り組みました。

2011年から2012年辺りです。

一つ一つ写真を撮り、サイズや個数、年代も記録して、再度整理しながら保管していく、というものすごく地道で骨の折れる作業でした。

これらの収蔵品を、いつかちゃんと展示などをして活用できたらいいなという思いを込めて、丁寧に包み、箱に入れて仕舞っていきました。

 

しかし、残念ながらなかなかそれらを十分に活かす余裕もないまま月日が流れてしまいました。

 

そこから10年。

再び、宝探しの醍醐味を味わう時間がやってきました。

 

コロナ禍で、思うようにイベント等を企画できない中、今できることは何だろうかとNPO内で話し合う中で、10年間眠らせてしまった収蔵品に陽の目を当てて、それを活かそう。

普段の邸宅公開の中で、少しずつそれらの収蔵品を展示して、見学者の方々にも楽しんでもらおう。

そんな試みが始まったのです。

 

10年前の整理作業を経験しているのは、今のメンバーでは私だけ。

記録に残っているとはいえ、実物はずっと仕舞ってあったわけですから、他の守り人たちにとっては、真っ新な気持ちで、宝探しを楽しめるわけです。

これはきっと楽しくなるはず…!

 

邸宅公開の合間を縫って行うこともあれば、終日宝探しの日にすることも。

私も、ゴールデンウイーク真っ只中の5月3日に数人が集まっているところに顔を出してみました。

 

窓から覗くと、本館書斎で守り人4人が何やら書物を広げて見入っている様子。

ああ、これは書物沼にはまっているな…これは抜け出せないぞ。

とニヤニヤしながら近づくと、まさに予想通り。

4人とも、書棚の中を見始めてから、すっかり座り込んで書物や資料に見入ってしまい、気が付けば午前中が終わってしまったとのこと。

そうなりますよね。うんうん。

 

なんとか腰を上げて、移動し、次は10年前に整理して仕舞った押し入れのチェックに取り掛かりました。

当時の私たちは、箱に仕舞う際に中に何が入っているのか、写真を箱の外側に貼って見えるようにしていたので、随分とわかりやすい(自画自賛です)。

しかし、一方で、当時の私たちが処分に困ったもの、判断に迷ったものも出てきて、一同「何じゃこら??捨てていいかな?取っておく?」と困惑する場面も。

10年前の私が書いた「判断に困るもの」というメモ書きを10年越しに自分で見て、首を傾げることになるなんて。ちょっとおもしろい。

 

さらに。

今まで開けていない空間もあることに、他の守り人が気づきました。

 

「何かすごい格好いいストーブがありますよ!!!!!」

と興奮気味の守り人。

何じゃ何じゃと中を覗いてみると、たしかにメチャクチャ格好いいストーブがあるじゃないですか!

他にも、何やら木製のオシャレな柵のようなものも奥にあるようだ…。

10年前の作業では見落としていたものたちです。

まだお宝があったのか!!私も思わずテンションが上がってしまいました。

 

早速引っ張り出して、掃除してみることに。

ストーブはわかるとして、この木製の柵は一体何…???

細かい細工もされていて、とてもいい物であることは間違いなさそう。

埃をとって綺麗にしてみたものの、そこにいた守り人たちにはわからず、ハテナが飛ぶ始末。

あれやこれやと推測してみたり、ネットで調べてもなかなか答えは見つからず。

この時間も、宝探しの楽しみの一つです。

 

結局、facebookで写真をアップして問いかけてみたところ、他の方からのコメントで、この木製の柵は、五月人形の幟台だということがわかりました。

残念ながらこれと共に飾る五月人形の本体はありませんでしたが、5月5日のこどもの日を目前にしたタイミングで幟台が出てきたことも、何だかおもしろい。

 

10年以上活動してきても、新たな発見があるなんて。

矢中の杜は、まだまだ私たちを楽しませてくれそうです。

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