2010.10.04

【9/23】第二回文化講座【報告】

こんにちは、管理人のハヤカワです。
いつの間にか9月も終わってしまいました…嗚呼本当にあっという間に月日は流れていきますね。。
大変(×2)遅くなりましたが、第2回文化講座「月と筑波山万葉歌」の報告です。
万葉歌についての講座を聴いた後、陸屋根に上って月見をしながら句を詠もうという、豪勢な企画だったのですが、当日はあいにくの雨・・・。
<てるてる坊主の祈りもむなしく>

(photo by SAWACHASO)

そんな足元も悪いなかでしたが、来てくれたお客さま、ありがとうございました!
(遠くからは東海村からお越しくださいました。ありがとうございます。)
というわけで、第一回に引き続き、講師は井坂敦實先生です。
<感謝しっぱなし、井坂先生の講演>

講義は月齢の話から始まり、月と筑波山に関連する四句の解説へと移ります。
筑波山と時代的知識を豊富にもつ井坂先生ならではの解説に、参加者一同(というか誰よりもハヤカワ)感銘を受けっぱなしでした。
と、ここで、実際に講座で解説された句を紹介。
(うしろの番号は万葉集の中の句番です)
*筑波山(つくはのやま)に登りて月を読む一首
 ●天の原雲なき宵(よひ)にぬばたまの夜渡る月ぞ入らまく惜しも(1712)
●筑波嶺の新桑繭(にひぐはまよ)の衣(きぬ)はあれど君が御衣(みけし)しあやに着欲しも(3350)
●筑波嶺に雲かも降らる否をかもかなしき見ろが布乾(にのほ)さるかも
●小筑波(おづくは)の嶺(ね)ろに月立(つくた)し間夜(あひだよ)は多(さはだ)なりのもまた寝てむかも
井坂先生のお話を聞いていると、万葉の時代に生きていた人びとの生活の質感を感じることができます。
ろうそくもない暗闇が夜を覆っていた時代、筑波山を神と崇めて貴んでいた時代、それは現代の生活とはかけ離れているとともに、歌の中で詠まれる感情や感覚はさほど変わらなかったりもする不思議なものでした。
井坂先生はこう解説します。
「これらの句は、中央の役人がやってきて詠めるようなものではない。
 現地に住んでいる人じゃないと詠めない情感が含まれたものであり、それは個人の思いというよりも、時代に生きた人たちの集合的な感覚と受け取ったほうがいいのです。」
中央だけに価値があるわけじゃない。
ローカルだからこそ存在する価値がある。
そんなことを学んだ、文化講座の夜でした。
講座の後は、お月見のために用意したお団子とけんちん汁を皆で食します。
美味し!
けんちん汁の用意手伝ってくださいました、筑波のスーパーおばちゃん「Tさん」ありがとうございます。
<お団子とけんちん汁>


そして月は見えませんでしたが、句を詠んでみるの巻。
句を詠むなんてなかなかないですよね。苦戦しました。
技術センスがないのは仕方がない。というわけで、諦めの一句。
<感性がないとはこういうことをいいます。。。>

季節や風景から感性をはぐくんでいくような生活、こんな時代だからこそ大切にしていきたいですね。
“矢中の杜”がそんな場所になっていけたらいいなと思います。
第三回の文化講座はまだ未定ですが、今後も楽しい企画にしたいですね。

2 thoughts on “【9/23】第二回文化講座【報告】

  1. m,nakayama(月の石)

    こんにちは。第2回文化講座に参加させていただいた中山と申します。
    過日は、趣深いに時間をありがとうございました。
    講座の終わりのハヤカワ様のお話によるとボランティアで講座を開いて下る方を募集中とのこと。
    一人、思い当たる方がまりますので、本人のご了承をいただけましたら、ご連絡させていただきますね。

    Reply
  2. 矢中の杜の守り人

    >nakayamaさま
    コメントありがとうございます!
    そして文化講座にお越しいただきましてありがとうございました。
    重ねて御礼申し上げます。
    講座の後があるとのこと、とてもうれしく思います。
    もし今後何か進展がありましたら、
    yanaka.no.mori☆gmail.com (☆を@にかえて)
    までご連絡お願いいたします。

    Reply

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