こんばんは!minaです。
今回は久々の工事に関するご報告です。
迎賓棟として建てられた矢中の杜の別館には、総欅造りの階段があります。
材料、装飾も然ることながら、仕上げもすべて漆塗りで、非常に立派な階段です。
しかし、経年変化と大震災の影響で階段を支えている柱部分の地盤沈下が進んだことで、階段全体が歪み、壁にも亀裂が入ったりしていたため、昨年度より修繕工事を進めていました。
当初は欅の腰板はそのままの予定でしたが、工事を進める中で、腰板の一部がかなり傷んでいることもわかり、急遽取り替えることとなりました。
しかし…いつものように、旧矢中邸の工事は一筋縄ではいきません。
板の取り替え自体はとくに問題はないのですが、問題はその仕上げです。
元々は本格的な漆塗り仕上げだったわけですが、これほどの漆塗りを実現出来るかどうか…。
しばらく頭を抱えていましたが、餅は餅屋だ!と思い、守り人育成講座を通じてNPOメンバーになってくださった建築専門のNさんにご相談したところ、早速いろいろと動いてくださいました。
その結果、私では絶対に到達できなかったであろう、最高の“ご縁”を導いてくださいました。
まずはじめに、Nさんの方から大子の辻徹さんという漆塗りの作家さんにご相談したところ、辻さんの方でもとても親身になって考えていただき、いろいろとご助言いただきました。
そしてなんと、辻さんのご助言およびご紹介により、漆生産で有名な茨城県大子町より良質の「大子漆」を提供していただくことになり、施工も筑波大学芸術専門学群の宮原克人先生(木工・漆芸)と学生さんにご協力いただくことになりました!
縁が縁を結ぶとはまさにこのこと。
本当にありがたい限りです。
※辻徹さん
http://www.tsujitohru.jp/index.html
※大子漆について(大子町公式ホームページ)より
http://www.town.daigo.ibaraki.jp/index.php?code=43
※筑波大学芸術専門学群 宮原克人先生
http://www.geijutsu.tsukuba.ac.jp/faculty/school#craft
今日から早速漆塗りの工事が始まりました。
立ち会ってくださったNさんからの報告では、今日は漆塗りをするための下地施工と養生をしたとのこと。
来週以降、漆塗りに取り掛かります。
何度か重ね塗りをしながら、元の階段の色に近づけていくそうです。
学生さんにとっても、いい学びの機会になれば、私たちとしても嬉しいです!
なお、養生をしているため、土曜日の邸宅公開に支障はありませんので、この階段ご見学していただくこともできますよ~。
竣工が今から楽しみです!