「矢中の杜へようこそ」 玄関ホールのピアノ

16120301”矢中の杜”の見学ツアーは、通常本館の表玄関ホールでの説明から始まる。
矢中龍次郎氏の事や屋敷の由来・そして邸宅の豪華さや工夫を解説しまずは座敷を案内するのだが、目ざとい方はホールの隅のこのピアノに興味を持たれる。
たった51鍵しかないこのピアノは、オルガンや子供用に思われてしまうのだが。

16120212これは河合楽器が戦後最初に製作を再開した、モデルNo.101というピアノである。
昭和20年に空襲で工場が全焼した河合楽器の当時の社長はピアノ製造技術が途絶えるのを憂いて、昭和23年にはあえてピアノの製造を再開したのだそうである。
とはいえ当時は生活物資すら不足する時代であったので、このような小型のピアノから製造を始めたのだと聞いている。

16120313あえて「ミニピアノ」と名付けたのには、いずれはフルスケールのピアノ製造をとの意識があったからかもしれない。
小さいからとは言えトイピアノと思われないように、かなり工夫を重ねたようである。
実際に鍵盤を叩いてみれば、こんな小さなボディーながらちゃんとピアノの音がする。
そして月産100台ほどの生産なのに、海外への輸出さえしていたのは驚きである。

16120314そこにはピアノ製造メーカーとしてのプライドが、いっぱいあったのだと思われる。
エンブレムとかにその誇りが見られる気がするのは、あながち穿ち過ぎとは言えまい。
そしてこのモデルは、ほぼ1年ほどで製造が終わってしまったそうだ。
もう少し鍵盤の多いモデル=実用的なピアノの生産に入ったものと思われる。
そしてこのタイプのピアノは、今やレアなものとなってしまったようである。

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