「矢中の杜へようこそ」 邸宅のお宝(かも)3

表玄関に入り、まずはそこで屋敷の豪華さに驚かれると思う。
だが目ざとい方は玄関ホールの隅に置かれた、この楽器に目がいくようである。
オルガン?子供用のピアノ?などと聞かれるが、コンパクトながらもきちんとしたカワイ楽器製のピアノなのだ。

あまりにもコンパクトにできていて、譜面台が前屋根の中に収納されている。
株式会社河合楽器製作所さんに問い合わせたところ、昭和23年に戦後初めて製造されたNo.101というモデルらしい。
空襲で会社工場が全焼してしまったので、詳細な資料は残っていないらしいが。

同社の資料館には同型のピアノが残っており、以下その説明書きを引用させていただく。

ミニピアノ(アップライト型)
独特のデザインと特異なアクションを持つこのミニピアノは、戦前に初代社長河合小市によって開発されました。
戦後迎えた昭和23年、戦争によって失った工場設備と技術者の飛散という困難をのりこえてピアノ・オルガンの製造が再開されました。河合小市は、ピアノ製造再開をこのピアノから始めることによって自らの技術を伝授しようと考えたのでした。
月間100台のペースで約1年間生産を続け、国内はもとより海外にも輸出され、当社のピアノ製造技術を不動のものとしたのでした。

物資が乏しい中、なんとかピアノの製造を再開しようとつくられた貴重なもののようである。

実はピアノの裏面に数字が刻印されている。
一見「1760」に見えるが、左の縦棒は傷のようである。
おそらく1000台程度しか作られなかったことになるので、多分これは製造ナンバーではないかと思われる。
メーカーに問い合わせてみたところおそらくそうだと思われるが、確実な資料が残っていないので断言はできないそうである。

次回の公開日は4月8日で、借景ながらも桜が楽しめそうです。
そして5月には「御殿まるごとマーケット」を予定していますので、詳細はこちらをどうぞ。

soraneko

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