2024.11.15

「矢中の杜へようこそ」 邸宅のお宝(かも)7  コーヒー関連の食器

先日(2024年5月)、「コーヒー・サイフォン」についての調査をブログにアップしましたが、今回は、コーヒー関連の食器についてです。
2024年6月、別館1階の食堂脇にある控室の“奥の棚”にある食器のうち「コーヒー関連食器」のチェックを行いました。3種類の食器群がありました。

A

写真A,ノリタケ製
柄:中央は白地、外周はベージュ地に花絵柄
種類(数量):カップ(6)、ソーサー(6)、中皿《径16》(6)、中皿《径19》(6)、クリーマ
ー(1)、
シュガーポット(1)、ポット(1)~蓋と持ち手が破損、
↓菱形の器(1)~お皿部分と上物が合体。24×16×高さ6.5㎝

A、菱形食器

【裏印(バックスタンプ)写真】
<A> 全ての種類
裏印(バックスタンプ):リースの中にM。リース上側にNORITAKE CHINA、リース下側にJAPAN

裏印拡大、A、ノリタケ

裏印の使用年代:1933年頃から1953年頃
材質:白磁

B

写真B,ノリタケ製
柄:白地に金線
種類(数量):カップ(12)、ソーサー(12)、中皿《径19》(6)
【裏印(バックスタンプ)写真】
<B-1>カップ、ソーサーの一部(全12枚のうち9枚)、中皿
裏印(バックスタンプ)○木印の上側にNoritake,下側にNIPPON TOKI KAISYA
Noritake の e の上にカンマ有

裏印拡大、B、ノリタケ(カンマ有)

裏印の使用年代:1946年頃から1953年頃
材質:白磁

<B-2>ソーサーの一部(全12枚のうち3枚)
Noritake の e の上にカンマ無

裏印拡大、B、ノリタケ(カンマ無)

裏印の使用年代:1954年頃から使用開始、使用終了時期は不明
材質:白磁

C

写真C,製造会社不明
柄:白地→朱色→ベージュ、境界に金色の花柄
種類(数量):カップ(6)、ソーサー(6)
※写真に添えた「角皿」は、同じ棚にあった和皿を組み合わせてみたもの。

【裏印(バックスタンプ)写真】
<C> カップ、ソーサー
裏印(バックスタンプ):CASTLE China、下段にOCCUPIED JAPAN

裏印拡大、C、CASTLE

ノリタケ製ではない。
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オールドノリタケ:
明治時代から第二次世界大戦終結までに、森村組とノリタケによって販売した陶磁器製品の総称がオールドノリタケ。
Aの裏印の使用年代は、オールドノリタケに該当するものとしないものがあり、今回の調査では確定できず。Bはオールドノリタケには該当せず。
——————
”矢中の杜”の守り人(Kawa)による推察:
Aは、食器の種類が多く、もっと探せば他の種類の食器が出てくるかもしれません。
Bは、Noritake の e の上にカンマ有、Noritake の e の上にカンマ無(ソーサー3枚のみ)の2種類です。おそらく、割れたソーサーを補充するために、同じデザインのソーサーを追加購入したと思われます。
Cの裏印(バックスタンプ):CASTLE China、下段にOCCUPIED JAPAN

OCCUPIED JAPAN(統制陶器)は1947~1952年に、GHQ支配下の輸出用食器に使われていた名称のようです。また、入っていた箱を再チェックしたところ、「松坂屋」とアルファベットで記載されていました。もしかしたら、字体から年代が推測できるかもしれません。
※矢中龍次郎氏は、松坂屋で購入することが多かったようで、値札のついた蝶ネクタイ、団扇などが見つかっています。
どの食器もおそらく70年以上前から矢中家で使用されていたと思われ、龍次郎氏逝去(1965年)後
、50年以上眠っていたものです。A~Cのセット写真3枚は、“朱塗りの脚つきお膳”(龍次郎氏が北条地区の町内会に寄付した食器群のひとつ。数年前に里帰りしてきたもの)にセットして撮影したものです。

食器たちも、急に陽の当たる場所に出てきてビックリしているかもしれませんね。

守り人 Kawa

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