2025.10.31

第3回まちあるき調査と防災訓練イベント

 

10月18日(土)、19日(日)の2日間、第3回のまちあるき調査と防災訓練イベントをそれぞれ開催いたしました。
防災の専門家である村上正浩先生と文化財建造物の専門家である小林直弘先生に指導をいただいての事業です。工学院大学の村上研の学生たちも協力をしてくれました。
*文化遺産(矢中の杜)を通して地域防災を考え、その土地固有の知識や考え方を知り、関わる人が連携する仕組みづくりを目指す事業で、日本ナショナルトラスト様の支援事業(通称トラスト・エール)で支援をいただいています。

18日(土)は、まちあるき調査を実施。3回目の今回は、これまで調べきれていなかったことを埋めることを重点的に。
北条のまちは、南北に高低差がありますし、敷地境界に水路がある昔の面影を残した地域です。高低差や水路・側溝の位置、竜巻被災(2012年)の後に建て替えた家も多く、新しい建物と古くからの建物が存在します。
3回の調査の内容をまとめていただくことになりました。

19日(日)は防災訓練のイベントを実施。
矢中の杜の中で火災が発生した事体を想定して、どう行動するかの実践です。
これまで、「避難」をメインにシナリオをつくって実施していましたが、それでは「非常時に行動できない」、というご指摘を受けて「発災型」の訓練を行いました。

前もってつくったシナリオの通りにではなく、「消防計画」に基づいた役割分担で、
通報担当・初期消火担当・避難担当・応急救命担当
それぞれが、状況を見極めて行動する訓練です。

守り人たちはそれぞれの担当を確認、守り人以外の参加者には、来場客役としてアドバイスはせず、必ずスタッフの言うとおりにする。と言う条件で実施。
村上研の学生の皆さんには、それぞれの担当の記録係として透明人間と化し、どう行動したかを記録していただきました。
どこで火災が発生するか、どのタイミングか、もわからずに、訓練開始です。
設置した自動火災報知器を作動させ火災を通報、邸宅内中に、非常ベルがなりました。

消防署にも協力をお願いして、通報のやりとりの訓練も実施。
火元を確認して初期消火のために火元を確認して邸内の消火器を集めて消火にあたるもの
避難経路を火元を意識して、安全に選択するもの
怪我人の確認をするもの

それぞれに状況を見て判断しながら。大きな声で、情報を伝えながら。

訓練とはいえ、緊張しましたし、オロオロ、ジタバタしました。
できなかったこと、間違って行動したことなども多々ありました。
今経験しておけば、いざという時に役に立つとも痛感しました。

今回の訓練で知り得たことを消防計画に入れ込んで、更新していくことになります。
例えば敷地内だけでの避難では、安全なところに避難したことにならず、消防作業の邪魔になったりもする。
敷地の外のどこに集まるかを決めておく。
など。
アクシデントもあり、大変いい体験ができ、防災への取り組みの姿勢が一つわかったように思います。

また、初期消火の訓練として、水消火器の操作体験も。
学生の皆さんが、大きな声で応援(?)してくれる中、水が出る消火器を1人1本使い切ります。
炎ではなく、火元を狙うこと
箒ではくようにホースを振るようにかけること
遠くからかけ、だんだんと近づくといいこと
粉消火器との違い
など教えていただきました。やはりやってみなければ感覚がわからないものですね。

形ばかりの訓練ではなく、実際に身になる様な訓練体験の大切さを実感しました。
本来は地域の方にもっと参加していただけるようなイベントにすべきでしたが、準備不足でした。
今後の課題になります。

ご協力ご参加いただいた関係者の皆様、この場を借りて御礼申し上げます。
ありがとうございます。

改めて、この取り組みは、日本ナショナルトラスト様の支援事業(通称トラスト・エール)で支援をいただいています。
『「文化と防災」でつながる地域遺産保全体制の構築 』と題して、
文化遺産(矢中の杜)を通して地域防災を考え、その土地固有の知識や考え方を知り、関わる人が連携する仕組みづくりを目指す事業です。
その第1歩が踏み出せました。
引き続き、応援よろしくお願いいたします。

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