2017.06.03

理事長就任のご挨拶

理事長就任のご挨拶

新理事長 井上美菜子

2017年5月28日にNPO総会が開催されましたが、それに先立って理事会にて前理事長堤雅彦より後を引き継ぎ、若輩ながら理事長に就任することとなりました。初代理事長、そして前理事長の下、NPO設立当初より副理事長という立場でNPO運営に携わってまいりましたが、その経験を今後の運営に少しでも生かせるように精進してまいります。

2008年11月に邸宅の所有者が変わり、現所有者と「どうなるかわからないけど、まずは2、3年なんとかやってみよう」と活動をはじめてから、気がつけば9年近くなります。NPOとしては、2010年6月に正式に法人が成立してからまもなく7周年を迎えようとしております。それまで、とにかくがむしゃらに走り続けてきたような感覚です。はじめは、数十年空き家となっていたために荒れ果てていた邸宅、庭園をまずは綺麗にすること、マイナスな状態をゼロの状態までもっていくことが第一目標であり、それに取り組んでいる中、2011年の東日本大震災、2012年の巨大竜巻と、2度の大きな災害にも見舞われ、被災からの復旧復興を余儀なくされました。なかなか波乱万丈な幕開けでした。それでもNPO会員、地域の皆様など多くの方々のご支援を受けながら、この貴重な文化遺産をきちんと残していくべく、地道に活動を続けてまいりました。

邸宅庭園の整備がある程度進み、マイナスからゼロの状態までにできると、次はそれをプラスにもっていく、つまり保存だけでなく活用していくことが目標となります。そのために、様々な活用イベントも実施してきました。中には、手ぬぐい展や切り紙ワークショップ、絵画展、御殿まるごとマーケットなど、単発ではなく数年にわたって開催し、多くの方を魅了するイベントなどにも、チャレンジしてきました。

以上のように、これまでは、目下取り組まねばならない目標があったため、とにかくその目標の達成に向けて、ひたすら前に進むという状況でした。しかし、そのままただ走り続けていくことが、NPOにとっていいこととは限りません。走る方向が間違っていないか、走るための体力をきちんと備えられているか、走るフォームは適切か。今後、大きく飛躍する為にも、一度立ち止まって深呼吸をし、自身の状態を見つめ直すことも大切です。

理事長に就任した初年度は、そのような1年にしたいと考えております。外に向けた大きな事業は例年より控え、そのかわりNPO会員で“矢中の杜”をじっくりと見つめ直し、考えを共有し、さらに気持ちを一つにしていく。課題も整理して、これから活動にどう取り組んでいくかを考える。まずはそこからはじめて、来年、再来年とまた大きく前に進むための地盤固めに努めていきたいと思います。

とはいえ、私自身、まだまだ未熟者であるうえ、小さい子どもを抱えながらの活動となるためしばらくは育児との両立で四苦八苦する状況が続くかと思います。至らない部分も多々あると思いますが、NPO会員をはじめ、皆様には今後ともご指導、ご支援いただければ幸いです。

活動に関わってくださる皆様への感謝と敬意を忘れず、何より皆様に「楽しい!」と感じられるような活動、そして場所にするべく、尽力いたしますので、何卒よろしくお願いいたします。

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