2012.07.25

初心。邸宅ガイドへ込める想い。

こんにちは。
minaです。
今日は活動日ではないので、矢中の杜には行っていません。
その代わり、離れている分、ちょっと客観的に物事を考える時間があるので、今日もなかばボーっとしながら、思いを巡らせています。
その一部をちょっと書いてみようかなと思います。
またまた長文で恐縮ですが、お付き合いいただければ幸いです。
おかげさまで、多くの縁に恵まれ、これまでいろいろな経験をさせていただきましたが、自分の中で変わらないことがあります。
それは、自分の土俵は「文化遺産保護」であるということ。
これは、北条に関わる前から自分の中で決めていたことで、今もブレていないつもりです。
そんな私がこの矢中邸と出逢ったのはもう3年半以上も前になります。
本当にひょんな縁でこの邸宅と対面できたわけですが、そのときのことを端的に言うと、「一目惚れ」でした。
それは直感に近いもので、理屈抜きに「ここを自分の活動の舞台にしたい」と思いました。
今のオーナーさんに「何の保証もできないですけど、とりあえずやらせてください」とお願いしました。
オーナーさんからしてみれば、大変厄介な申し入れですよね…。
でも、冗談ではなく、本当に何の根拠も保証もなかったのですが、なぜか何とかなるような気だけはしていて、ひとまず掃除から始めました。
その時は、まさかそこから3年の内に、NPO設立、文化財登録、千年に一度というレベルの大地震、そして日本史上でも最大級とされる竜巻など、こんなに大きな出来事を立て続けに経験するとは思ってもいませんでしたが、それでもとりあえず何とかなっています。
そういう意味では、我々、なかなかアッパレです。
ただし、活動は葛藤の日々でもあります。
NPOを立ち上げる際、私は一発起人として「矢中の杜を舞台に、最高水準の文化遺産保護の取組みを実現する」ことを目標としたいと言いました。
これが、私の「初心」です。
では、「最高水準の保護」とはなにか?
それに対する明確な答えが自分の中でまだ出てないので、葛藤するわけです。
邸宅がピカピカに修繕されること?
資金が潤沢で、経済的に自律していること?
専門家に手厚くサポートしてもらうこと?
行政等の支援を受けて、安定した活動を継続すること?
どれも重要な要素ではありますが、それで十分とは思えません。
ただ一つ、絶対に欠けてはならないことがあると思っています。
それは、この活動に関わる人全員が「どうして、これを大切なものとして残すのか」「この邸宅が有する、守るに値する価値とは何なのか」「そのためには、どのような行動をするべきか」を考え、互いに共有していることです。

私たちは、活動をはじめた時から「邸宅公開」を活動の主軸に据えています。
その際には、時間や人数を制限した「ガイドツアー制」を取り入れています。
正直なところ、この方法は決して効率的ではありません。
ツアーの時間に合わなかった方がいた場合や定員オーバーしてしまった場合、見学をお断りすることも少なくないからです。
当NPOの主な活動資金は、見学に来られた方々に負担していただく「邸宅維持修繕協力金」なので、より多くの資金を調達するためには、見学に来られた方全員をお迎えする方法をとるのが一番です。
でも、私たちは敢えてそれをせず、ガイド制にこだわってきました。
これまでにも、自由見学だったり、説明板をつけたり、案内本を作ってみたりと、いろいろな試行錯誤は繰り返してきましたが、結局行き着くところはガイド制でした。
それは、先述のとおり、私たちの考えを、活動のことを、きちんと「伝えること」、そして見学に来られた方にも「共有してもらうこと」が最も大切であり、それを成し得る最良の方法が対面でのコミュニケーションであるガイドだと実感してきたからです。
もちろん、ガイドする側も人間ですから、話の上手下手はあるでしょうし、思い入れの強い部分が違うために、人によってガイドの内容が違ってくるということもあります。
場合によっては、見学者の方からその場で教えてもらって、ガイドの内容を修正するなんてこともあります。
それも、ガイド制の面白さであり、魅力です。
私の場合、他の人よりも少し思い入れが強いかもしれませんが、それでも、これまで活動してきたメンバーは、みんなこういう気持ちで矢中の杜と向き合っています。
いろいろと不便をかける方法ではありますが、ぜひご理解の上、多くの方々に見学に来ていただきたいと思っています。
そして、できることなら、より多くの方々に同じ志を持ってもらい、ガイドする側になってもらいたいとも思っています。
そのために、これからは「守り人講座」なるものも企画しています。
今はまだ詳細が詰まっていないので、講座についてはまた改めてお知らせしますが、もし私たちの活動に興味を持ってくださったのなら、ぜひこれからも活動へのご参加、ご支援、ご協力のほど、どうぞよろしくお願いします。
…と、初心に戻りつつ、ちゃっかりPRしてしまいました(笑)
古いもの、歴史あるものを守り残していくというのは、困難やリスクもあります。
でも、それを負ってでもなお、残すべきものはあると思います。
その成果は残念ながら今すぐに表れるものじゃないかもしれないけど、数年後、数十年後に必ず評価されることだと思います。
自分は矢中の杜でまだまだ手一杯で、他のところにまで手を出す余裕はないけれど、自分の持ち場でしっかりそれを実践して、一つの事例として示していければと思っています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
せっかくなので、最後にもう少しPRしておきますね↓
*“矢中の杜”邸宅公開*
*日時:毎週土曜日 11:00~、13:00~、15:00~
 (見学ツアー制、各回定員10名、所要時間約1時間)
 ※定員に達した場合、見学をお断りすることがありますので、事前予約をお勧めします
*場所:矢中の杜(つくば市北条94-1)
 ※駐車場は北条商店街共用駐車場をお使いください(徒歩約7分)
*参加費:500円(邸宅維持修繕協力金として)
 中学生以下無料
*お問い合わせ:事務局 TEL 090-6303-4531
            Email yanaka.no.mori@gmail.com
それでは、夏バテなどにならぬよう、今日も健やかにいきましょう!

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