2018.10.30

10/27「もんきり+藍染ワークショップ」詳細報告

先日、簡単な開催報告をしました「もんきり+藍染ワークショップ」。改めて、ワークショップの詳細報告をいたします。

「もんきりワークショップ」を担当してくださる切り紙研究家の下中菜穂さん。下中さんをお招きするのは今年で5年目となります。
その素敵なお人柄に、私たち守り人もすっかり魅了されていて、毎年秋に下中さんのワークショップを矢中の杜で行うのが楽しみでなりません。

ただ毎年同じ内容ではなく、せっかくだからテーマや趣向を変えながら開催したいと思い、下中さんには毎年こちらのいろいろな要望にお応えいただいています。
そして今年の要望は、もんきりともう一つのワークショップのコラボレーション。

これまた、私たち守り人たちが魅了され、矢中の杜のイベントでも度々お世話になっている、染作家の飯塚優子さんの「藍染ワークショップ」です。
以前から、下中さんと飯塚さんに会ってもらいたいなぁ、きっと良い出逢いになるんじゃないかなぁとひそかに思いつつも、なかなか都合がつかなかったのですが、今年ついに実現することができました。

午前中に下中さんによる「もんきりワークショップ」でもんきりを楽しみ、そこで生まれた作品を午後の「藍染ワークショップ」で型として使って、もんきり模様の藍染手ぬぐいを作る、というスペシャルな企画。

前置きが長くなりましたが、実際のワークショップの様子をお伝えします。

1.もんきりワークショップ

まず最初に、下中さんから「紋切り」の文化や歴史について、お話されます。
なぜ下中さんが紋切りに興味を持ったのか、研究を続けることで見えてきた面白さ、そして実際に自分でもんきりをやってみる楽しさ。
毎年ながら、そのお話はとても楽しく、引き込まれます。

そのお話を聞いた後、実際にもんきり型を切ってみます。
今回は午後の藍染ワークショップのことも想定した型を、下中さんの方で準備してきてくださいました。
そのため、毎年ワークショップを見ている守り人たちも、初めて見る型がいっぱいあって興味津々。

 

参加者の皆さんは自身の好みで型を選び、思い思いに切り抜いていきます。
黙々と作業をするうちに、たくさんの紋切り作品が出来上がりました。

それぞれに渾身の作品を手に持って、集合写真。これにて、午前のワークショップは終了です。

 

2.藍染ワークショップ

午後は、飯塚さんによる藍染ワークショップ。藍染といっても、今回は白い布を藍色に染める、というのではなく、予め藍に染められた布から「抜染」という方法で藍色抜くことで模様をつける、という内容です。

実は講師の飯塚さん、こっそり午前のもんきりワークショップに紛れ込み、もんきりを楽しんでおられました。なので、参加者の皆さんが体験したもんきりの面白さや作品ができたときの感動もよくわかっておられます。その感動を、どう染めぬくか。それを考えながらの進行でした。

抜染の方法について一通り説明があったのち、もんきり作品をどのように配置し、どういう模様にしていくかを各々考えます。これが一番の悩みどころ。
皆さん、自身の作品を手ぬぐいの上に並べては、あーでもないこーでもないと、楽しそうに悩んでいました。

配置とデザインが決まったら、抜染剤を塗ります。これがとても大事な作業。この抜染剤の塗り方で最終的な作品の出来上がりが決まります。
一人ではやりづらい作業なので、参加者同士が自然に協力し合って、塗り作業をしていました。

普段は少人数制でワークショップをされている飯塚さんにとって、今回の大人数のワークショップはなかなかない経験だったそうで、ハプニングも続出。
私たち守り人にとっても、今回のワークショップは初めての試みだったので、フォロー不足だったり想定外のことが起きたりと、てんやわんやでした。

でもその結果、参加者の皆さんも自主的に動いてくださり、講師と参加者という垣根を越えて、その場の全員が団結していった感じで、それはそれでとても楽しいものでした。

さて、無事に薬剤を塗り終わると、しばらく乾かした後に薬剤を落としていきます。
水洗いして、お鍋の中で煮溶かすと、薬剤を塗った場所が徐々に色が変わっていくのです。

大鍋の中をぐるぐる回しながら、その色の変化を楽しむのもこの抜染のおもしろさ。

ようやく完成した手ぬぐいを庭に干して、無事に藍染ワークショップも終了。

みんなの個性と、一日のがんばりがいっぱい詰まった手ぬぐいが並んだその光景は、とても壮観でした。

手ぬぐいと一緒に集合写真を撮った後は、自然と拍手が生まれ、「やりきった~!」という声がそこかしこから聞こえました。
下中さんのもんきりワークショップと、飯塚さんの藍染ワークショップが見事にコラボレーションを遂げた瞬間でした。

ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。
そして、こちらの要望に快くお応えいただき、とても濃厚で楽しい時間をつくってくださった講師の下中さん、飯塚さんに心より感謝しています。

大変長くなりましたが、以上、ワークショップのご報告です。

下中さん、飯塚さんの方でもそれぞれのウェブサイトで今回のワークショップの報告をされていますので、ぜひご覧になってくださいね。

下中さん(エクスプランテ):http://www.xpl.jp/ws-20181027ynmreport/

飯塚さん(ぷにの家):http://puninoie.tsukuba.ch/e321823.html

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