2016.10.01

矢中の杜活動史 第9回—矢中の杜のMissionとは

ブログをご覧の皆さま、こんにちは。
“矢中の杜”の守り人、前理事長の早川(公)です。

第7回の記事では、オヤシキの方向決めをおこなうワークショップの話を書きました。
そこでまず決めたのは「Vision」。
オヤシキはどんな場所でありたいのか。そこででたのが、

古いものと新しいものの共存

でした。
そして、Visionとともに考えていたのは、Missionです。
ここでいうMissionとは、「Visionを達成するためにおこなうコト」を意味します。

同じモノを売っていても、Visionが違えばMissionが違います。
たしかはじめにHさんのワークショップを聞いたときは、トヨタとベンツ、アウディがどう違うのか、みたいな話だったと思います。
(これは非常に曖昧な記憶なので、この違いについて言及するのはよしておきます。。)

はじめは旅館にするのかレストランにするのか、という話をしていた昭和初期のオヤシキ。
それを文化財にしよう、という話のなかで何がMissionになるのか。
ここMissionについての議論は、ぼくの記憶の中では参加者で割れたような記憶があります。
ぼくは「トーキョーとは違う価値を提供する場所をつくる」と書きました。

そこには、その前の年から本格的に関わり始めた北条地区での経験が根ざしています。

過去のものをそのまま残して「昔はよかったねえ」と自己完結するのではなく、
過去と全く違って原形のないレトロを演出するのでもない、
昔がそこにあるけど現在に息づいている、あるいは昔から現在のライフスタイルに問いかけをするような、
古いものと新しいものの共存というVisionを具現化する場所づくりが、新しいNPOの仕事ではないかと思ったのです。

こうして書いてみると照れてしまうような言い回しですが、当時のぼくはそう思っていたし、今も研究や実践の前提だと思っています。

そんなぼくの想いを、松浦さんは、

「それって動的保存てことですよね?」

と代弁してくれました(たしか)。

動的保存。

これか、と腑に落ちた気がします。
オヤシキに残る文化をどうやって動的に(生きた状態で)保存するか。
これが今でもNPOの活動に息づいていることだと思いますし、そのために寺尾くんが書き起こしてくれているような、日々の清掃活動がつながっています。

更新が遅くなってしまいましたが、次回の邸宅公開は10/8です。
古いものと新しいものが共存する矢中の杜をぜひご覧ください。

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