7月14日、自動火災報知設備の設置工事が始まりました。
消防法上の適法化のための工事です。
これまで、火災に対する措置がないに等しかった矢中の杜(旧矢中家住宅)に、まずは火災・煙を感知して、どの部屋で問題が発生しているか確認、通報できる設備を設置します。

設置に際して
・文化財として、矢中の杜の価値を損なわないように。
・引き続き見て楽しめるように、美しいように。
・その上で、万が一の時に、いち早く察知して通報できるように。
と矛盾するような課題をクリアしていくことになります。
まずは、本館の配線を行う工事が始まりました。
部屋ごとの天井と天井裏とに取り付ける「感知機」。
配線にあたっては、
出来るだけ配線自体が室内から見えないように、そしてスムーズに連結できるように天井裏のスペースを使います。
でも、矢中の杜の本館居住棟は、屋根が平たい「陸屋根」です。
いわゆる「屋根裏」がほとんどない。
人が立って歩けるスペースはなく、ほぼ腹這いの姿勢での作業が必要です。
そして天井板も貴重な材を使っていますから、その保存も重要なポイント。
そんな緊張感の中、
押入れ上の点検口から天井裏に入っていきます。
梁に足場板をおきながら、天井を踏み抜かないように進み、
室内側にいる作業スタッフと声を掛け合い、息を合わせながら、するすると配線がされていきます。
事前に矢中の杜の見所を確認してきてくれるなど、準備をいただいた上で、
どの位置に「感知機」などの機器をつけるかを、何度も一緒に確認をしながら工事が進みます。
丁寧に精度良く、素早く、きれいに。
1日目の作業は無事終わりました。
工事が終わった部分には、天井からくるりと配線が出ていて、感知機の取り付けまでそのままになります。

工事を請け負ってくれたのは、能美防災株式会社さん。文化財の防災設備を得意としておられます。
現場での作業を担ってくれる八洲防災設備株式会社さんも、文化財建造物の工事経験が豊富です。
暑い中の丁寧な作業、ありがとうございます。
こちらも改めて身が引き締まりました。
この工事は重要文化財になったことを機に、消防法の適法化のために自動火災報知設備の設置を行う工事です。
工事には国や自治体からの補助金と、クラウドファンディングでご支援いただいた資金を充てさせていただきます。
ご支援いただいた皆様、改めましてありがとうございます。
おかげさまで無事工事にはいれました。
工事はもうしばらく続きます。
土曜日の邸宅公開の際、くるりと巻いてある配線が見ていただけるかもしれません。