矢中の杜活動史 第20回—管理人の日々②

こんにちは。早川(公)です。
寺尾くんが書いた前回記事の「東西お雑煮対決」、懐かしいですね。

冬の透明な寒さと、タイル貼りの台所の洗い場。
居間からふすまを開けると、L字型の廊下の向こうにぼんやり見える調理の風景。
矢中の杜は、何気ない生活がまるで映画の1シーンみたいに見えることがありました。

そんな美しい邸宅に管理人として住んでいた私。
当時は大学院生をこじらせて20代も後半で、日常と非日常が絶妙のブレンドで構成された管理人の日々は、思い出そうとすると邸宅のガラス越しに見るみたいにゆらいでいます。

そんな感傷的な書き出しで始めてみましたが、今回の記事でも管理人時代を綴ってみたいと思います。

「ぼくはこのお屋敷に住み込みの管理人なんですよ」

邸宅にいらした人に説明すると、結構な確率でくるのがこの質問です。

「…出たりしないの?」

結論から言いましょう。
ぼくは、矢中龍次郎さんにお会いすることはありませんでした。

とはいえ、夜の矢中邸の雰囲気は、なかなか乙なものではありました。
活動が終わり、メンバーが帰った後の邸宅は、ほんとに「しん」としています。
そんな夜の廊下のガラスをガタガタと揺らす風には、何度もドキッとさせられました。

ユーレイ的な怖さ、はもちろんあります。
ですが、どちらかというと怖かったのはリアルな人です。
つまり、泥棒です。

実際、邸宅は空き家の間に何度も被害に遭っていたそうで、管理人として「その時」が来るのだけが不安でした。
結局、「その時」が無くて本当に良かったと思っています。

ただ、前回につながる話じゃないですけど、夜の矢中の杜にも「招かれざる客」は来ていました。
夜の「招かれざる客」は人ではなく、虫や小動物です。
たとえば、管理人部屋で寝ていると、天井を「ダダダダダダ!」と何かが走る音が聞こえてきます。
音から大きさを推測するに「ハクビシン」あたりでしょう。
数晩続いて、いつの間にか音がしなくなる、そんなことはたまーにありました。

そんな夜は夜で楽しい矢中の杜をぼくだけが独り占めするのは勿体ない!
というわけで、次回はNPOで試みた「宿泊体験」について書いてみようと思います。
写真、あったかな…。

次回の邸宅公開は、1月21日です。その頃までにはこの寒波もおさまるようですが、それでも邸宅は十分寒いので、ぜひ暖かな服装でおいでください。

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