6月1日、別館迎賓棟の現況調査が実施されました。
ご協力をいただいている伝統技法研究会の皆様による調査です。
別館迎賓棟の2階は、迎賓棟にふさわしく洋風和風の見事な応接室があります。風格があり、落ち着きと豪華さが同居する自慢の空間です。この別館迎賓棟の2階部分の傾きが、東側(庭側)に進んでおり、2020年には今できる補強措置工事を実施しました。
現在は2箇所の建具を外し、それに変えて補強のための木製フレームがそれぞれに入っています。ただ、このフレームはあくまでも一時的な対策で、本格的な調査と修復工事が必要です。
総勢10名の専門家の方々が、別館の平面立面や構造の確認をしてくれました。小屋裏や床下など普段見えないところに入り、部材の配置や状況、傾きの程度や構造躯体の接合の確認などしてくれました。
担当が割り振られ、それぞれの場所に散らばり、静かにテキパキと作業を進めていただきました。話しかけるのもはばかられるような集中した時間でした。
傾きはやはり深刻な状況であるものの、1階部分には大きな問題はなく、心配していた西側の擁壁も建物本体の構造とは切り離されて考えられるようで、安心材料もありました。それでも傾いた2階を正常な状態に引き戻し、1、2階が一体になるように補強をしての修繕となると、やはり大きな工事であって、課題も多く、今後も気を引き締めていかなければと思います。
今回の調査は、傾きの大きくなった2階部分をしっかりと修復するための詳細な調査の第一歩です。今後も調査と現状の分析、修復計画の立案と続いて行く予定です。
今後本格的な修復工事を実施し、矢中の杜を保存していくために、皆さまのご協力が必要です。
資金の確保のための策も見通しがついておらず、人的な支援も必要です。どうかお力をお貸しください。詳しくは事務局までお問い合わせください。
現在も別館2階は、見学のみ可能です。大勢の場合には人数を調整しながらのご見学をお願いしますし、ワークショップなどでの利用は引き続き不可とさせていただきます。(別館2階以外の部分は、これまで通りご利用いただけます。)
伝統技法研究会の皆様には2019年末から別館2階の傾きの状況について相談し、真摯に受け止めていただいて、力強いご協力をいただいています。心より御礼申し上げます。
伝統技法研究会 http://den-gi.jp
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。