12月11日(土)筑波高校で「令和3年 つくばね学発表会」が開かれました。
筑波高校で実践されている「つくばね学」は、2年生から3年生の2年間にわたるカリキュラムです。矢中の杜でも2年生後期から3年生前期にかけて行われる実習の受け入れをしています。この日は3年生によるつくばね学の2年間の成果を発表する会でした。
全校生徒や父兄、実習先や地域の皆さんの前で、3年生が、座学や実習ののちに探求を深めた結果を発表していきます。感染症対策として、多くはリモートで配信を見る形式。司会進行も生徒たちが行います。実習先ごとの発表で、矢中の杜グループの5名の生徒はトップバッターでした。
実習の際に目標としていたことは何か、それは達成できたのか、から始まり、実習経験を活かした探求を発表してくれました。
矢中の杜は「地域の文化財だけれども、まだまだ認知されていない」と感じた生徒たちが、その問題点と解決策として次のような内容を考えてくれました。
・表入り口に看板がないのはわかりにくい
・ネット上でもっと広めるために、口コミを増やす
・SNSはFBだけでは足りない
・ネット上で矢中の杜という名称と旧矢中邸という呼び名が混在していてわかり難いから統一すべき
・生徒目線の発信もするといいのでは
などなど
発表を「暖かく見守ろう」なんて思って参加しましたが、次々と出る鋭い指摘にメモをとるのが忙しくなったほど。しっかりした主張を明快に発表している姿に、驚き、目を見張りました。
もう一つ驚いたのは、その内容は私たち守り人たちも同じような問題意識を持っていて、解決したいと思っているということです。高校生からもそう見えるのかとわかり、気を引き締めることにもなりました。
それにしても、参加してくれた生徒たちが、矢中の杜を「地域の文化財としてもっと認知するべき存在だ」と感じてくれていることがわかり、本当に嬉しく誇らしい気持ちになりました。
堂々とした素晴らしい発表でした。生徒の皆さん、ありがとうございます。
他の実習先のグループもそれぞれ個性的な発表で、課題を見つけ、それを探求する成果は見事なものばかりでした。
つくばね学は地元北条での竜巻の際のボランティア活動が契機となっています。高校生が地域に入って実習するなんて、非常に珍しく貴重なことであり、先生方のご苦労は大変なものだと思います。地域を巻き込んでの授業は、年々成長しているようで、コロナ禍の期間だったこの2年も見事な成果を見せてくれて、生徒たちの力を地域に運んできてくれたと感じます。
発表会の終了後、先生に伺ったところでは、この日の発表には至らなかったものの、矢中の杜の看板を具体的に考えてもくれたそうで、何とかうまく取り入れられないかしら、と思います。
今回発表してくれたのは前期7月まで実習に来てくれていた生徒たち。その後、9月以降は新たに2年生の実習が始まっていて、敷松葉などを実践してくれています。