矢中の杜には、古い金庫があります。通常は非公開。その中に入っているのは朝鮮人参のサンプルです。
矢中の杜(旧矢中家住宅)を
建てたのは、矢中龍次郎氏。明治11年、筑波郡北條村(現・つくば市北条)に生まれた実業家であり、建材研究家です。矢中の杜は、都内で会社を起こし、実業家として成功した矢中氏が故郷に錦を飾るような意味合いで建築された邸宅で、60歳の時、建築が始まりました。おいでいただいた皆様はお判りと思いますが、豪勢な昭和の邸宅です。
その矢中の杜の金庫になぜ朝鮮人参が?
実は矢中氏、筑波で朝鮮人参の栽培に挑戦していたのだそう。「矢中龍虎堂」というブランド名まで決まっていて、その小袋もこの金庫に保管されています。少し古びた「矢中龍虎堂」の小袋を見たとき、なんて面白いバイタリティー溢れた方なのだと、邸宅以上に矢中氏ご本人に魅せられ、以来親しみを込めて”龍次郎さん”と呼ばせていただいています。
一昨年、震災からの復旧修繕工事を行ってくれた工事店の親方が、「ここの庭にきたことあるんだよ」と声をかけてくれました。
その親方曰く、
「ここのご主人が山麓にあった朝鮮人参の畑を視察にくる時に、頼まれて上大島駅から、畑まで籠に乗せて往復したんだ。いいアルバイトだったよ。みんな矢中先生って呼んでたんだよ。」と。
畑の視察に籠!!!
当時通っていた筑波鉄道で北条駅から上大島駅まで行き、そこから山道を籠を頼んで畑の視察をしていたのだそうです。
朝鮮人参の栽培に挑戦したのは龍次郎さん70代後半以降だと思われ、その力強さと実行力に目を剥きながら、ますます龍次郎ファン熱が高じたのでした。
何ごとも挑戦せずにはいられないかのような龍次郎さん。龍次郎さんのことは、はっきりわかっていることはまだ一部分で、謎が山積みです。矢中の杜を見ながら、龍次郎さんに想いを馳せる。これがなかなか楽しいのです。
矢中の杜、次の公開日は6月11日(土)です。
6月18日(土)からはいよいよ恒例の『手ぬぐい展2016』が始まります。
梅雨の季節に気持ち良い風を感じていただける企画です。皆様のおいでをお待ちしています。