2021.08.05

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 8 -邸宅が文化財になるまでの道のり つくば市文化財室へ相談編-

こんにちは。井上です。

月1回更新しているこの連載。活動の記録を残すということを目的に投稿していますが、書き手としては正直なところ「読む人いるかな?」「需要あるのかな?」なんて思ったりもするのです。

そんな折、学生時代の友人が「古民家再生プロジェクトの参考にしたいから」との理由で矢中の杜のブログを読んでくれていることを知りました。

独り言をつぶやくような気持ちで書いていたところに、そんな反応が来たものですから、思いのほか嬉しく感じました。

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さて、前回から、邸宅が「国登録有形文化財」になるまでの道のりについて書いています。

今回は、[……]

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2021.07.08

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 7 -邸宅が文化財になるまでの道のり 調査編-

こんにちは。井上です。

いよいよ本格的に掃除や調査を始めることになった2009年。

この年は、邸宅のハード面、つまり調査と整備(掃除・修繕)と管理運営体制(NPO法人化、外部団体との連携、活用案)について、同時並行で検討を重ねていました。

ゼロからの立ち上げですので、とにかくいろんな案が出てはまた変わる、ということを繰り返していて、この時期の記憶を整理するのに少し苦労しています。

今回は、その中でもハード面の動き、とくに邸宅の調査から文化財登録申請、そして邸宅が「国登録有形文化財」になるまでの過程を書いていきます。

早川さんが以前に書いたブログ投稿

矢中の[……]

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2021.06.03

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 6 -バランスを考えながら、声をかけ、協力者を集める-

こんにちは、井上です。

前回は、オーナーに対して自分の姿勢を伝える努力をしたことについて書きました。

今回は、邸宅を動かし始めるにあたってどのような人にどのようなことを考えながら協力を求めていったかを振り返りたいと思います。

第一に、数十年もの間空き家となっていた邸宅ですから、掃除をしないことには何も始まりません。それには絶対的なマンパワーが必要です。

また、邸宅を文化財として残していくためには、建築学的な調査と、文化的価値の評価を行うことも必要です。これには専門家の力が必要です。

そして、邸宅の保存活用をすることは、邸宅単体だけでなく地域にとっても意義があり、賛[……]

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2021.05.06

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 5 -一学生の営業努力-

こんにちは、井上です。

今回も、活動が本格的に始動する前の話を書きます。

いつになったら活動の話が出てくるのか…そう思われてしまうかもしれませんね。

この連載記事を書くにあたり、予め内容を決めているわけではなく、毎度今回は何について語ろうかと考えながら書き始めるのですが、活動を始めるまでの経緯を丁寧に綴ることを意識しています。

活動も10年以上続けていると、いろいろなインタビューを受けたり、学生の研究対象になったりすることもしばしばあります。

当時は学生だった自分が、今では大学生の卒論の事例研究の一部として語られていたりすることも。

そこでは、「文化財保護に[……]

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2021.04.08

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 4 -自分にしかない「専門分野」がほしい-

お久しぶりです。井上です。前回の第3話から、随分と間が空いてしまいました。すみません。

もう以前の連載の内容も忘れられているかもしれませんね。そんな方は、「“矢中の杜”をはじめた守り人の話」を再度読み返していただければと思います。私自身も読み返しました(笑)

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 1 -新連載はじめます-

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 2 -出逢いは一目惚れ-

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 3 -“矢中御殿”の所有者が変わった!!!!!とざわつく-

前回まで、どうして矢中の杜の活動を始めたのか、という出発点のことを書いてきました。今回も、それ[……]

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2019.07.20

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 3 -“矢中御殿”の所有者が変わった!!!!!とざわつく-

こんにちは。井上です。

今回は、前回記事で書いた初めて邸宅を訪れた時より、少し前の話。

どうして、私が新しいオーナーと一緒に邸宅を訪れることになったのか、その経緯について書きたいと思います。

前回の記事で書いたように、私が邸宅を初めて訪れたのは2008年でした。

その前年の2007年の春から、私は北条地区に学生の立場で関わっていました。

大学のゼミの先輩である早川さん(後のNPO初代理事長)に誘ってもらったのがきっかけで、早川さんが立ち上げた有志の学生グループ「チームごじゃっぺ」の一員として、北条のまちづくりに参加していたのです。[……]

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2019.06.29

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 2 -出逢いは一目惚れ-

こんにちは。井上です。

第2回は、私がはじめて邸宅を訪れた時の話。

忘れもしない、2008年11月某日。

当時、私は大学院の修士1年。

施主矢中龍次郎さんのお孫さんである株式会社マノールの矢中社長、会社の社員の方々数名、現邸宅オーナー、当時大学院生の早川さんと一緒に、空き家状態の旧矢中邸に、はじめて私は足を踏み入れました。

(この日に至るまでの経緯は、別途書こうと思っています)

そこは、まるでその空間だけ何十年も時が止まっていたのではないか、あるいは自分がタイムスリップしたのではないかと、本気で思うような、とても静かな空間でした。異空間といってもいいかもし[……]

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2019.05.31

“矢中の杜”をはじめた守り人の話 1 -新連載はじめます-

こんにちは。理事長の井上です。

矢中の杜のブログをご覧いただき、ありがとうございます。

この度、ブログにて久々の連載企画がスタートすることになりました。

以前の連載「矢中の杜活動史」※の中では、まるで黒幕のごとく度々名前が出ては暗躍していた(?)井上が、新たな連載を担当します。

タイトルは「“矢中の杜”をはじめた守り人の話」としました。

矢中の杜の活動を最初にはじめた守り人であり、今でも現場に携わっている身として、これまでの約10年の間、矢中の杜で体験したこと、感じたことなど、ちょっとした裏話などを綴っていきたいと思っています。

「なんでこの[……]

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